Hey, I'll sue you!

大移動が伴うここ数日の間、帰りが遅く、保育園の迎えはまたベビーシッターさんにお願いしている。

つい先日まで、そのお子さんも連れてきてもらって一緒に楽しく夕食を楽しんでいたかと思ったら、事件は突然起きた。

仕事中に園からの着信があると、いつもドキドキするものだが、今回は、見事に嫌な予感が当たった。

お友達とおもちゃの取り合いをしていて、爪で顔を引っかかれてしまったらしい。

ここまでなら、2歳児にはよくあることでどうってことはなかろうが、なんと、傷が深く応急処置のために病院へ連れていくほどだったという。

そんなときにそばにいてあげられなかった自分の不甲斐なさを悔やみながら、はやる気持ちを抑えてなんとか最後のインタビューを終え、飛んで帰ると、こんなことになっていた。

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口で言える大人と違って、自我に目覚め、日に日に主張が強くなりつつもまだ満足にしゃべれない子供が、かみついたり、爪で引っかいたりするのは、成長過程にあるこの時期によく見られる行為だ。

爪を伸ばしっぱなしにさせている親も親だが、基本的に園の監督不行き届きということで、謝罪はあった。

が、腹の虫がどうにも治まらず、日中一緒に仕事しているAnneさん(前出)に雑談がてら事情を話していると、ついついまたヒートアップし、I'm really gonna sue them!と口走ってしまった。

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すると、彼女は少しも驚いだ様子がなく、「Oh, you are? Yes, you can, and you should if the she got the scar left on face」と同調してくれた。

確かにアメリカ人は裁判好きで有名だ。なんでも訴える材料になってしまうたとえで、こんなジョークも教えてくれた。

幽霊を見てびっくりしたから、幽霊に向って、「I'll sue you!」と叫んだ人がいるとか。

以前から、子供同士のトラブルに対し保育園から方針として、加害者には簡単に伝えるけれども、被害者には相手の名前を明かさないことにしている、と告げられていた。

なぜ!?と素朴な疑問をぶつけると、親同士の関係が気まずくなるから、との答えが。

まさに「和の心」を大事にする日本人の発想といえる。

しかし、今回のようなケースで、毎日塗り薬や飲み薬を幼い体に投与し、痛がったり、かゆがったり、泣いて嫌がるのを押さえつけて処置したり通院を続けている。なのに、相手はそれを知らない。こちらにも訴えるすべがない。

これっておかしくないの!?

「和」が保たれていたとしても、「正義」はどこにもないような気がする。

次元がだいぶ違う話だが、未成年による殺傷事件などで加害者の名前を知らされることなく苦しみ続ける被害者やその家族のことが、一瞬思い浮かんだ。

なんでもかんでもすぐ裁判沙汰にするアメリカは考え物だが、ややもすると事なかれ主義を貫こうとする日本の文化にも、大いに疑問を感じる出来事となった。

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