エジプトのやっちゃん

エジプトがたいへんなことになってるんですね。私ももしあの時行ってなければきっと「遠い国での出来事」で終わっていたかもしれないが・・・

Horus Temple.JPG

2006年の10月にエジプトを旅行した。

海外出張の嵐でほとんどオフィスにも家にもいられず、プライベートの時間など全く作れない時期で、体がぼろぼろになりかけ精神的にもいっぱいいっぱいだった。

それでもせめて毎年恒例の海外旅行を、と半ば強引に遅めの夏休みを取ることにしたのだが、出発の前日までマレーシアで足止めを食らって、やっとの思いで乗った飛行機が台風に直撃されて揺れに揺れ、あげくの果てに、日本の空域に入ってからも成田の閉鎖により伊丹空港と中部空港の間で立ち往生。朝クアラルンプールの空港を飛び立ってから実に13時間以上経ち、いよいよ燃料もなくなってきたという時に、世紀の大移動が終わりをつげ、ようやく成田に戻った。雨の中、自宅にタクシーでなんとかたどり着いたのが深夜の2時過ぎだった。


その8時間後に乗り込んだエジプトエアで向かった先は、そんな極度の緊張と疲労を一気に吹き飛ばしてくれる、まさに別世界!

Abu Simbel Shrine.JPG

到着後二日目、小さい頃から歴史の教科書で見ていた、カイロ郊外のギザ・ピラミッド群とスフィンクスに始まり、翌朝には飛行機で最南端のアブシンベルまで行き、そこからアスワン、ルクソールへゆっくり、ゆっくりと三泊かけてナイル川を北上していく、クルージングを楽しんだあと、ルクソールからカイロに飛んで帰るという、いいとこ取りの充実した旅。

やっちゃん仕事中.JPG

ガイドについてくれたのが、やっちゃん。観光大国のエジプトだけに、なんでもおじい様から三代続くガイドのサラブレッドらしく、一方でカイロ大学出身という超エリート。「僕の名前はやっさんではなくてやっちゃんですからね」とおどけながら流暢な日本語で行く先々の神殿や遺跡で丁寧に解説してくれた。


今回のデモ騒動が大きくなるのを見て、真っ先に彼の安否を案じたものだ。やっちゃんは参加したのだろうか。よほど登録したてのFacebook上で探そうと思ったら、ネット規制が引かれて遮断されているというのではありませんか。

それにしても、古の神々が棲む、歴史とロマンの国でも、これほど抑圧された民の思いが爆発する日がくるとは。つくづく人間の業の愚かさが嘆かれますね。


 

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