悲しい出来事 - I きっと返ってくる!
きょうは土曜日。朝から降り続けている雨は、夕方になっても一向に止む気配がなく、強風も加わってむしろどんどん激しくなっていた。
こういうときに上海で一番恐ろしいのは、タクシーがつかまらないことだ。
ただでさえバブルで年々ひどくなる一方の交通事情に加えて、今回は、万博の駆け込み需要で町中タクシー待ちの観光客であふれ返っている真っ只中だ。
いやな予感が見事に的中し、ずぶぬれになりながら待つこと30分。ようやく捕まえた運命のタクシーで、悲しい出来事が起こったのだ。
先方に遅れるとの連絡を入れてあったが、取引先の建物が近づくのを見計らって、お待たせした分、会ったら一刻も早く本題に入れるように、とバッグから名刺ホルダーを出しておいた。
そして、間もなく車が止まった。
待ち受けていたらしい何人かの客が降って湧いたように群がってきて勝手にドアを開け、容赦なく乗り込んでくる。
お金を払いながら、書類が入った袋をかばいながら、ホテルから借りた壊れた傘と格闘しながら、なんとか脱出。
そして、小走りで建物に入り、先方に詫びながら、例のものを出そうと・・・
あっ、ない。
そう、肝心の名刺ホルダーが、ないのです!!!
さっき出しておいたのに!?
いや、あの状況の中で出しておいたのが、何より致命傷となったのだ。
幸いどさくさにまぎれて領収書はもらっていたので、さっそくタクシー会社に電話。
服務電話(サービス窓口)、監督電話(管理センターのようなもの)、投訴電話(クレーム受付)、書かれているありとあらゆる番号を試し、打ち合わせ終了後も延々とかけ続けたが、「通話中」のままで一生つながらないんじゃないか!?とも思われた。
2時間後、やっとの思いでつながったが、「没有」の一言で片づけられた。
いや、そんなはずはない。
自慢じゃないが、中国のタクシーで何度か忘れ物をしてその都度必ず車体を特定できて交渉の末、取り返してきた。ケータイが二度ほどで、一度は虹橋空港まで、もう一度はクライアントのオフィスまで届けに来てもらった。
ちなみにトランクに入れたままのスーツケース、というのもあった。
それには深いわけがあるのだが・・・それは割愛するとして。さすがにこのときは帰国のフライトに間に合わず、ハンドバックひとつで成田に着いて、「ずいぶん身軽ですね」と税関職員に相当怪しまれたこともある。この時ですら、ちゃんと上海を飛び立つ前に所在を確認でき、一週間後の出張で無事取り返した。
そのたびに、中国という国の懐の深さ(?)に感動していたものだ。捨てたもんじゃないと。
だから今回も、きっと返ってくる。
※上記文面とはあまり関係なく写真をお楽しみください
to be continued...
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