マルチリンガル社長の日々
不尽千言万语

TVを見ていると、ここ数日のニュースヘッドラインといえば、日本のユッケ事件に続き、牛角のO157やドイツのO104、台湾の食品添加剤などDEHP含有食品に対するメインランドへの輸入規制、食の安全にまつわるネガティブな話題で持ちっきりだった。

そんな中、スカッとする吉報がお茶の間に届いている。

中国人テニスプレイヤー「李娜」が、全仏オープンで見事優勝を果たしたのだ！

あのシャラポワを破ったあたりから、マスコミで連日興奮気味に報道され、人々の期待のボルテージがどんどん上がっていった。

そして、13億人（＋世界中のテニスファン、スポーツファン）が見守る中、4大会のシングルスでアジア人初の優勝。

国中が祝賀ムードに沸いた。

自在に英語を操り、バラとハートを組み合わせたタトゥーを胸の目立つ位置に入れていたり、その愛を表すといわれている16歳のときに出会った夫とのラブロマンス、何もかもが今までの中国人選手には見慣れない、型破りなその個性的なキャラクターもまた、人々の興味を惹きつけてやまない。

当然彼女の快挙による経済効果も、さっそく注目され始めている。

そういえば、ゴルフと並んで、中国では長きにわたって、資本主義・ブルジョアの道楽の象徴としてみなされてきたテニス。文革時代には、戦前から存続していた設備や人材などのリソースまでもがバドミントンや卓球にシフトされていたとか。

それが、21世紀になり、ここへ来てようやく日の目を見るようになるや否や、彗星のごとく優秀な選手が現れ華々しい成績を打ち出すこととなった。

この勝利の意味は、果てしなく大きい。中国は間違いなく前進している。時代の変化に沿って、一歩一歩、しかし確実に前へ。