人助けか、ビジネスか。

長年の友人に頼みごとをされて、チャージしてしまいました。
以前もブログに登場してもらったカナダ人のクリエーターで、毎年来日して作品づくりに没頭しているのだが、今回はひらめきで、表参道のとある名店からの眺めをえらく気に入ってしまい、撮影許可を取るべく、日本語が話せない自分に代わって、運営会社の本部に電話してほしい、というリクエストだった。
電話一本ぐらいしてやれよ!とお思いかもしれませんが、長年外国人相手のお仕事をしている私には、瞬時にあらゆるリスクが想定できた。
どこの何というお店か、お店との直接交渉を誰相手にして、なぜだめだったのか、まずはこちらの疑問に逐一答えてもらい状況把握するのに20-30分かかる。
次に、私が電話したところで、見知らぬ人からの初めての申し込みにすんなり応じてくれるとは考えにくい。
自己紹介はじめ、この友人のバックグラウンドや目的を話し、デシジョンメーカーにたどり着くのにおそらくさらに10分前後かかる。
そして、すべてクリアになったところで、NGを言い渡された場合はどうするか。
「5-10Fからのアングルが理想」とする彼に、同じビルの違うテナントに変えてアプローチを続けるのか、一軒一軒あたるのか、ある程度インテリアなどをチェックした後に的を絞ってもらうのか、諸々意思の確認がまた必要。
仮にOKしてもらったとして、彼(+モデル、ヘアメイク)の希望スケジュールにお店の都合が合わない場合はどうするか。こっちが折れるのか、はたまた別をあたるのか。
一つひとつのステップに判断を迫られ、それぞれ英語と日本語を母国語とする人に受け入れやすい表現で、効率よくコミュニケーションを進めていかなければ、お話がまとまることなく、延々と往復ビンタを食らう構図が目に見えている。
意外や意外、ちゃちゃっと片付けられない「お仕事」だったのだ。

自慢じゃないが、昔から外国の友人が多い私は、世界中からよく頼みごとをされる。
台湾からいくけど、日本ならではのいい温泉宿を紹介してほしい、とか。
香港から来てるけど、日本でしか買えない○○の化粧品、まとめ買いするにはどこへいけばいい?とか。
イタリアの親戚に買って帰るお土産、何がいいかお薦めを教えて、とか。
どれも簡単に聞こえるが、そつなくこなすだけならまだしも、本当にその人の期待を満たせるように、調べ物をしたり、それぞれの予備知識レベルに合わせてわかりやすく伝えたり、責任をもって丁寧にやろうとすると意外と時間がかかるもの。
もちろん、難易度が高ければ高いほど燃える、達成感が味わえるという職人気質(?)も災いしているのかもしれないが・・・(笑)
学生やお勤めしていた頃はそれでも、喜ばれるのがうれしくてほとんど趣味でやってきた。
おかげさまで、日本でわからないことや困ったことがあったらナナさんに聞けば大丈夫、という評判が広まる一方だ。
しかし、気が付くと私も人の親になっていたり、曲がりなりにも一事業主をしていて、それなりに時間に追われる年頃になってきた。
そして何より、ラグジュアリーツアーのプロデュースや外国人の来日サポートが、まさにわが社のキラービジネスの一部だったりもしているのよね。
ハンドルはどっちに.jpeg
人助けか、ビジネスか。
どっちにハンドルを切るべきか。

~ん、友達なんだけど・・・とても言いづらいけど・・・
悩んだ末に、やっぱり課金することにした(続く)

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