マルチリンガル社長の日々
不尽千言万语

えー、結論からいうと、名刺ホルダー、返って来ませんでした。

何度も電話口のリモートコントロール（？）で車内の隅から隅まで探してもらったが、運の悪いことに、今回はその後乗せたお客に持って行かれたのは、というのがタクシー会社の分析結果だ。

そう言われれば、それ以上粘ることもできず、あきらめるしかない。

今までの成功体験（？）が音を立てて崩れていく。

頂いた大切な名刺も入ってるのに・・・結構気に入ってたデザインだったのに・・・

思えば、世界中にいろんな忘れ物をしてきた。

ハワイのコースにセルフで回ったときのゴルフクラブ、上海のホテルでクローゼットのハンガーにかけたままのスカート、青島のホテルで洗面台の上に乳液、ニース行きの飛行機の中にメガネケース、その次モナコへ移動する際にホテルに今度はメガネ、台湾のホテルにネックレス、フィレンツェのお土産物屋さんにお土産（お金だけ払ってきた）、北京国際空港のチェックインカウンターに一カ月近く滞在した分の領収書が入った封筒・・・もう、泣けてきた。

こんな自分、やだ。よく考えたらただのダメ人間かも。

しばらく続いた緊張が解けて放心状態になっていたらに急にお腹が空いてきた。

ご飯を食べながらふと、小さいときによく中国人のお年寄りに聞かされていた、あることわざが出てきたのだ。

「旧的不去、新的不来」

古いのが去らない限り、新しいのがやって来ない。直訳するとこんな具合でしょうか。

ものを無くして落ち込んでいる人を慰めるために作りだされた気休めの言葉かどうかは定かではないが、不思議と気が楽になった。

形あるものは壊れる、とも日本語ではいうが、自然の摂理かもしれない。

失敗は失敗としてきちんと受け止め、その分得た貴重な経験を次に生かせばいんだ。

それが新しいものに生まれ変わっていく。

少なくとも、仕事関係の書類だけはゼッタイに無くしたことがない。それだけでも救いがある。

それに、お財布やパスポートじゃなくて良かった、という考え方もある。

そういえば、パスポートを、初めてのタイ出張で無くした先輩もいたな。

あの時、もっと優しくしてあげるんだった・・・

♪あのひとぉ～どぉ～してぇ　いるぅか～しらぁ～

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　the end