『レオニー』の松井久子監督と
きょうは協力会社のH社長からのお誘いで、彼女が懇意にされている松井久子監督の話題作、『レオニー』の海外配給版東京初上映を観にいくことに。
監督によるトークショーもあり、開演前から会場は熱烈なファンで埋め尽くされていた。
イサム・ノグチ。
お恥ずかしい話、名前こそ聞いたことはあっても、どういう人物か正直、私自身ほとんど知らなかった。実は、日本でよりも、世界的に知られている有名な彫刻家だったのだ。日系アメリカ人かつ私生児という数奇な運命を背負ってあの戦争を生き抜いた本人はもちろんのこと、その彼を産み育てた母親のレオニーもまた、波乱の人生を送っていた。この映画は、レオニーの生涯を題材にしている。
監督兼プロデューサの松井久子さんは、50歳を過ぎてから映画監督デビュー。家族の絆を描いたそれまでのわずか2作品でのべ200万人の観客を動員し、さらに満を持して挑んだという今回の第3作。実に7年の歳月と、13億円の資金が投じられているというが、それ相当のハリウッド映画でおなじみのいわゆるスぺクタルではなく、全編に流れる静かな、しかしみなぎる生命力みたいなものがひしひしと伝わってきた。
もっともっと世の中が偏見と差別に満ちていた混沌の時代に、自立を目指し国境を越えて力強く生きた女性のストーリー。100年も前の話だが、なぜか不思議とこの21世紀の日本でも十分に共鳴してしまうものをたくさん感じる。特に監督の制作にまつわる苦労話を聞いていると、会場のあちらこちらで大きくうなずかれるシーンが多かった。
女の伝記ものは売れない。
女の監督だから。
実績がないから。
そのすべてを見事にはねのけて結果を出した松井さんに、素直に敬意を表したい。
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