中国よ、スピードを緩めよう!

中国で鳴り物入りの高速鉄道に、ついに恐れていたことが。

二百人近く死傷するという、痛ましい事故が起きてしまったのだ。


先月開通の北京⇔上海間は、高速とは言っても、中途半端に5時間もかかり、乗る気がしないため、相変わらず飛行機と決めていますが、ほかの区間の「動車」なら、実は私もつい最近、数回利用していた。
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写真は青島駅ホームの様子で、6月の国内移動に使ったときのもの。まさに、今回事故を起こしたのと同じ「和諧号」シリーズだ。


車内は通常の中国の列車に比べると清潔で、座席もまあまあ快適なので適当な距離の移動にはいいかもと思い、友人知人にも紹介していたばかりだった。

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駅の作りもご覧の通りややヨーロッパの田舎を思わせる異国情緒が漂い、単調なビジネスマンの出張を少しでも彩るスパイスになりうる感じさえした。
ただ、テスト運行の時点から事故が絶えず、賄賂による手抜き工事が指摘・懸念されてきたが、案の定このようにあっさり重大事故を招いてしまっている。
その辺りの事情を知る者たちの間では、驚きの事態でも何でもなく、むしろやっぱり!という声が圧倒的に多いのが事実であろう。


ここ十年ほど、仕事で中国を訪れるたびに目の当たりにするハード面での目覚ましい発展ぶり。地方都市までが、すでに子供の頃に刻まれた記憶の中の中国ではなくなっていることが多い。

しかし、はるかそれ以上に痛感するのは、ほぼすべての業界に共通して言える、サービスやモラルなどソフトの貧弱さ。欠落しているというより、おそらくそこの部分だけが昔のままで追い付いちゃいない。

笑顔一つ見せることを知らずに、客をにらみつけるキャンペーンガール。
高級ワインがメニューにずらりと並ぶレストランで、ソムリエがいないどころか、自分のところの商品(=ブランド名)すら読めない店員。
ゴルフ場に行けば、グリーンに上がって平気で客のラインを踏んづけるキャディ。

一見先進国並みの設備や環境が整っているだけに、そのアンバランスが、なんとも惜しい!

でも、よく考えればそこが社会主義国家本来の真の姿なのかもしれない。なまじっか資本主義や自由経済の衣を身にまとったばっかりに、自他共に勘違いしてしまったのではないか。
本当の進歩は人々ののメンタリティが上質になったときに初めて実現することだと思う。
今の中国には、スピードを緩めてもいいから、最も必要なのは、文明の利器を心の豊かさにつなげる、ほんとにみんなが幸せになれるための教育だと言いたい。

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